2009年09月11日

占い師「いらっしゃい」

いらっしゃいませ、占いの館へようこそ。
どうぞお掛けになってください。
そう緊張されなくても大丈夫ですよ。
リラックスなさってくださいな。

まずはこの薬湯を飲んでください。
落ち着くはずですよ。

さて、それじゃあ早速占ってみましょうか。
何を占ってほしいのかわかるのかって?
ふふ、貴女のような若い女性が何かを決心したような表情でここへ来るということは、内容はあらかた予想できますよ。
おそらく・・・心の奥にほのかに揺らぐ淡い気持ちについて・・・といったところではないですか?
ふふ、大当たりのようですね。
貴女のような方は何人も見てきていますから。
決意を秘めた表情の方。
恥ずかしげな態度の方。
期待に胸膨らませた方。
色んな方々がいらっしゃいましたけど、そのほとんどが貴女と同じ内容でしたから。

さて、それじゃあ始めましょうか。
気持ちを落ち着かせて・・・。
目を閉じて・・・。
私の手を取って・・・。
もう片方の手で、この水晶に触れてください。
そう、深呼吸して。

・・・

・・・・・・

見えてきましたよ。
まず、貴女について。
お若いのにとてもしっかりしている。
その若さでひとつの血盟を背負っていますね。
多くの仲間達に囲まれ、支えられて、とても充実しているようですね。
そして、一人の想い人がいますね。
彼に想いを伝えられないのは・・・。
自分が血盟主という立場だから?
それとも・・・種族が違うから・・・?
・・・相手に・・・忘れることのできない過去があるから?
その葛藤が、貴女の胸の中で渦を巻いていますね。
それでも、今の貴女は現状に満足している。
想い人の傍にいることが。
想い人が傍にいてくれることが。
何気ない会話があり、共に戦い、歩んでくれていることに。

そして同時に不安もある。
想い人が自分のことをどう想っているのか。
自分が彼の隣に立ってもいいのか。
彼が、いつまで仲間としていてくれるのか。

なるほど・・・。
では、次は貴女の目を借りて、そのお相手のことを見てみましょう。

・・・

・・・・・・

見えてきました。
落ち着いた雰囲気の男性ですね。
彼は・・・とても悲しく、辛い過去を胸に抱いている。
とても、とても重い十字架を秘めているように見えます。
お強い方ですね・・・。
なによりも心が。
一度、その悲しみから逃れようと、自らの死を選びそうになったこともある。
でも、それを乗り越えてさらに強くなった。
ふむ・・・。
どうやら、彼はそのことで貴女や仲間に対してとても恩義を感じているようですよ。
彼の目には、深い優しさと感謝が秘められているのが見えます。
あまり態度に出すことはないみたいですね。
ふふ、その辺りは少し不器用なのかもしれませんね。
貴女にも心当たりがあるんじゃないですか?
彼の不器用な態度に。


目を開けてもよろしいですよ。
お疲れ様でした。

さて、と。
貴女は先の見えない未来、そして自分の心の行方に対して大きな不安を抱いていますね。
でも、未来に対する不安というものは誰もが持っているものです。
その恐れは間違いでもなく、正解でもなく、ごく当然のものなのです。
私の役目は、貴女の進む道を指し示すことではなく、少しだけ一歩を踏み出すためのお手伝い。
背中をそっと押してあげることです。
それを踏まえて、私の見えた占いの結果をお伝えしますね。

彼・・・貴女の想い人は。
貴女にとても感謝している。
そして、護りたいと思っているようです。
残念ながら、貴女に対する特別な感情というのは、直接本人と対峙してみないとわかりません。
ですが、とても優しく、そして強く、貴女とその仲間達を大切に想っていることは確かです。

そして、貴女の歩いている道の先。
それは決して暗いものではない、とだけ言っておきましょう。
貴女の勇気と気持ち次第で、この先は大きく変わることでしょう。
貴女の心はとても素直で、美しく、優しく強い。
自分を信じて、まっすぐに歩いてみては?

そうすれば・・・







◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


リオーネ「おかえり〜、どうだった?あれあれあれ〜。何よ、その表情は?すっごい晴れやかじゃないの。なになに?どんなこと占ってもらったの?なんて言われたの〜?・・・。え〜〜、なによけち〜!教えてくれたっていいじゃない!顔真っ赤にしちゃってー!気になるでしょ〜。おねーさんに隠し事なんて!教えてくれるまで帰さないわよ〜!あ、ちょっと!こら、待ちなさ〜〜い!!」


posted by ラストエフ at 21:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月03日

情報屋「いらっしゃい」

(からんからん)


やぁ、いらっしゃい
今日はどんなご用件で?
ケガをしていないところを見ると、治療の依頼じゃなさそうだね
情報が欲しい?
それとも仕事かい?

なんでも言っておくれ


え、紹介?
あぁなるほど、二人から聞いてるよ
とうとう僕のところに来たわけか
そんなに面白い内容でもないだろうけどね
僕でよければ喜んで紹介させてもらうよ

僕の名前は「クリフ」
この酒場の名前の由来でもある、「虹色の風血盟」に所属しているウィザードだ

この店での僕の仕事といえば・・・
まず、冒険者や旅人達と情報のやり取りが主なんだけど、
他にも仕事の紹介や、ケガ人の治療もしているんだ
情報屋とは名乗っているけど、あえて言うならなんでも屋ってところかな
店が忙しい時は妻を手伝ったりもするけどね

あぁ、妻とその友人の紹介はもう聞いてるんだったね
自慢じゃないが妻の料理は絶品だよ
友人が厳選したたくさんの酒もここの名物のひとつかもしれないね
おかげで毎日色んなお客さんが足を運んでくれるよ


妻との馴れ初め?
んん・・・
それは勘弁してくれないかな
さすがに恥ずかしくて他人様にはとても言えないよ
妻にも叱られてしまう
怒ると恐いんだよ


普段の僕かい?
いつも店のカウンターで、お客さんが来るまでのんびりと本を読んでるよ
読書が好きなんだ
色んな情報を与えてくれるからね
開店前には買い出しや店の準備をしているんだけど
いつの間にか時間が過ぎててね
なかなか本を開く時間がないんだ
書庫にはまだ目を通していない本が山ほどあるのに・・・

おっといけない
なんだか愚痴っぽくなってしまったね

まぁ毎日が忙しいけど今の生活に不満はないね
とても幸せだよ

さてと、僕の紹介はこれくらいかな
こんなものでよかった?


そろそろお帰りかい?
長話に付き合わせてすまないね

困ったことがあったらいつでも来ておくれ
きっと力になれると思うから


ありがとう
これからも虹色の風をどうぞご贔屓に



(からんからん)
posted by ラストエフ at 01:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月07日

看板娘「いらっしゃい」

(からんからん)

あら、いらっしゃいませ!
酒場、虹風へようこそ!

今は見てのとおり誰もいないから、
どうぞお好きな席へ座ってくださいな

はい、お水

ご注文はお決まり?


え、紹介?
私の?

あら、照れちゃうわね

エルガちゃんからお店の紹介はしてもらったの?
じゃあ私の紹介だけでいいみたいね

えーと
私の名前は「リオーネ」
ここ、酒場「虹色の風」亭で主に接客を担当しているの
たまに踊り子もやってるからぜひ一度見てほしいな
演奏は親友のエルガちゃんと、その旦那さま

エルガちゃんの夫の紹介?
ふふ、せっかくだしそれはいつか本人にしてもらうといいわ


私もエルガちゃんと同じ血盟に所属してて、
あの夫婦二人だけじゃ心許ないっていうことで誘われたの

こう見えても昔はエルガちゃんと一緒に旅をしていたウィザードなんですからね

それで、エルガちゃんとの縁と、
お酒が好きっていう理由もあって、働くことにしたんだけど・・・
・・・料理の腕は聞かないで・・・

まったくできないわけじゃないのよ?
ちょっとその
苦手っていうか・・・

料理の話はおしまい!


お店の客層?
そうねえ
この近辺に住んでる常連客もいるし
旅人とか冒険者もたくさん来てくれるわ
そういった人達が来るようなお店だからね
もう毎日のように喧嘩とか揉め事とかあるのよねー
ふふ、でもその都度エルガちゃんがため息しながらつまみ出すんだけど
その光景も今じゃ名物みたいなものね

あ、そうそう聞いて!
このお店に来る人達って色んな年齢層なんだけど
私ったらなぜかオジサマ達に人気あるのよねー
いっつも寄ってくるのはオジサマ達だけ!
エルガちゃんは若い子やお兄さん達に人気があるのに・・・
どーしてだろ?

旦那さまも年下だしね

おっとと
詳しくは本人からね

はーぁ
どこかにいい男いないかなぁ



ごめんなさい、話が逸れちゃったわね

大体これで私の紹介は終わりかな
今度はエルガちゃんの旦那さまの紹介を聞いてみなさいな
いつもカウンターでのんびりしてるわ


あら、今日はもうお帰りになるの?
今度は私の踊りも見てくれると嬉しいな

またいつでもいらしてね


(からんからん)
posted by ラストエフ at 23:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月28日

女主人「いらっしゃい」

(からんからん)


いらっしゃい
酒場「虹色の風」亭へようこそ

ご注文は?

ん?
紹介?

ふむ・・・困ったな・・・

私は昔から口下手でね
よく無愛想だと言われるくらいだ
喋るのはあまり得意じゃないんだが・・・

私の拙い言葉で良ければ紹介しよう


まずはここ、「虹色の風」という店を紹介しようか
この名前にはいくつかの意味が含まれていてね
たくさんの旅人や冒険者が訪れ、去っていく
流れる風はその場に留まることがないように
そんな風達がふと足を止めて立ち寄っていくような店
そして旅や冒険の疲れを少しでも癒せるような店
そういった願いがこめられているんだ

新しい風や懐かしい風
世界には色んな風がいる
この店に来る風も様々だ

それで、虹色
風はこの店に訪れる客達
・・・という意味だ

他の意味?
ふむ・・・
意味というか、簡単に言えば私が所属する血盟の名前をそのまま頂いたんだ
もちろんそこの君主には了解を得ている
なかなか居心地のいい血盟でね

先代の君主はもう隠居して、今はその娘が君主の座に就いている
まだ若いが、しっかりした子だ

血盟の紹介はまた今度にしようか


次は私の紹介だね
私の名は「エルガ」
この店の店主と料理長をしている
もちろん一人で経営しているわけじゃない
私を支えてくれる夫と、昔からの友人が手伝ってくれている
二人の紹介はいずれ本人にしてもらうといい

昔は剣を手に世界を回ったこともあるが・・・
今の血盟に所属していた人から料理の腕を見込まれてね
その人が引退する時にこの店を譲り受けたんだ
こういった店を持つのは夢でもあったし
根無しだった私には願ってもない話だったね
今では毎日が楽しくて仕方ない

たまに客同士の諍いがあったりもするがね
もう慣れてしまって日常茶飯事さ


・・・
そんなに嬉しそうに話してたかい?

ふう
珍しく多弁になってしまったな
こんなに喋ったのは久しぶりだ

ふむ
もうこんな時間か
そろそろ慌ただしくなってくるな
料理の下ごしらえでも始めるとしよう


今日はもういいのかい?
そう
またいつでも来ておくれ



(からんからん)
posted by ラストエフ at 04:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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